top of page

「今回の作品、僕の涙腺は最初から最後まで崩壊しっぱなしでした。G・ロボットのやりきれなさがひしひしと伝わってきて、アニメーションでここまでの表現が出来るのか、しかもパラパラで、とただただ驚くばかりです。次回のシャトル搭乗時、大の宮崎ファンである同僚のジョージにこの映画のDVDをプレゼントします! What a wouderful movie ! 」
推薦者:宇宙飛行士 トーマス・和田(39)

宮崎駿郎 監督『皆殺し』を観て

闇世界の開発した、無差別殺人兵器であるG・ロボット。攻撃相手に発するプラズマ光線銃にて標的を瞬殺! その銃口は兵士だけではなく、命令とあらば一般市民の女性・子供・年寄りにも向けられた。逃げまどうターゲット達。だがロボットゆえ、感情のカケラもあるはずも無く、慈悲を請うが泣き叫ぼうが、単なるターゲットは、一瞬にして煙と消えゆくのであった。だが彼らロボットにも寿命はやってくる。停止間近となった彼等が、荒野の一端にあるロボットの墓場へと自ら向かうのだった。彼等が行っていたことへの憤り感はあるが、自ら墓場へと向かうその姿には哀愁を感じて何故か心が苦しい。墓場に累々と横たわる錆つき朽ちているロボット達。そこに感情がないとは言え、自ら加わっていく彼等の心を思うと、目から一条のものが自然と流れてしまう。皆殺しというタイトルには、飼い殺しという意味も掛けている様に思えてならない。

オープニングのハレー彗星の擬人化への落胆とラストシーンのそれを超える最早、CMのような凡庸感に苛立ちを覚えた。GロボットのGの正体をひっぱってひっぱって引っ張り倒して明らかになる中盤もつまらなかった。GがギガでTがテラだからテラフォーマーズ! という何のひねりもない台詞を言わされた野沢雅子御大のプロ意識だけは敬意を表したい。なぜパラパラ漫画なのに途中からダンボールに書いたのか。更に開始128分頃からは習字用の半紙に書いているために、張り付いてパラパラしなくなり、なんとなく揺れるチャバネゴキブリのイラストを見続ける17分間は腹が立ちすぎて寝ることも出来ない最悪の時間だった。そしてラストのフマキラーのロゴに皆殺しのルビ芸。コビるのも大概にしろ!
前作で、海中でポーズを取った役者、戦闘機を撮り、クレイアニメの要領で実写アニメーション版地獄の黙示録を作ったあの輝きはどこへ行ったのか! 私のザキさんはこんなんじゃない!!!

bottom of page