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ベトナムからのい声とは

劇団(名)。主に京都市内で活動。劇団員7名。1996年結成。過去27回公演。
社会人劇団。全メンバーが正規の仕事を持つ。結婚率85%。
100人程度の小さな小屋で、週末にしか公演を打たない(打てない)。
なので目標は、チケット入手困難な劇団となること。

ちなみに、劇団名の「ベトナム」にはまったく意味がない。

よく、
「ベトナム社会主義共和国をテーマにしたお芝居なのか」とか、
「ベトナム語の芝居なのか」とか、
「ベトナム人の俳優が出るのか」とか、
「ベトナムに行ったことはあるか」とか、
「ベトナム料理は何がおいしいんだ」とか、
ベトナム社会主義共和国に関する質問をされますが、
一切関係ありません。
あしからず。

なお、以降、当サイトで「ベトナム」と表示されるのは、
「ベトナムからの笑い声」のことです。
ご理解ください。

京都教育大学の演劇部“劇団ひなたぼっこ”が母体。
大学の一サークルとしての「演劇部」や、

毎年入れ替わってメンバーが選べない「学生劇団」ではなく、

自分達の納得いく演劇を、自分達の納得いく方法論で、自分達と気の合うメンバーだけで創るために結成する。  

初めは、脚本家の黒川と、代表の丸井が、毎回俳優を集めてくるプロデュースの形を取っていた。
しかし、第1回大阪演劇祭・CAMPUSCUP'99(第7回公演「ドッグ・オア・ジャック-改訂版-」)での

優秀賞の獲得を期に、「劇団」として、集団として、生き残る覚悟を決める。

そのため、少し長いスパンで、メンバーを固定し、

集団としてのオリジナリティを創り出す方法に方向を転換する。  

ベトナムにしか出せない「雰囲気」。
ベトナムでしか味わえない「笑い」。
同じ脚本家の作品を、同じメンバーで、
なんとなく、しかし確実に、創り出す。
それが“ベトナム流コメディ”。

作品創作のコンセプト

 

●テーマは「笑い」●

脚本家・黒川の独特の言語感覚による台詞と、

あくの強いキャラクターを演じる役者たちで一つの世界観をでっちあげる。
巷で流行の静かな演劇や、やわなハートフル・コメディや、ありきたりな不条理ものに対抗。

どこにもない。騒がしい。無意味。

SFほど現実離れしていないけど、シュチュエーションコメディほど緻密でない。
時代批評も問題提起もない。ハッピーエンドでもなければ悲劇でもない。
ただ、笑える。

僕らの芝居は、コント的だとか、コントだとよく言われる。
しかし、あくまで僕らは「笑い」を最重要の要素としている演劇だと思っている。
もっというなら、演劇とコントの境界線上にある、新しいジャンルだと思っている。
コントとしての常識や、演劇としての常識を蹴散らし、

創りだそうとしているのは、誰も見たことのない新しいジャンル、
それが“ベトナム流コメディ”。

 

●想像する「日常」●

描くのはあくまでも「日常」。

何かを象徴する装置や、その場の雰囲気を盛り上げる、

人物の心象を表わす音楽や照明は「非日常」的だ。

だから、ない。
必要最小限の装置。

空間を明るくするためだけの地明かり。

必要であれば効果音。

他には何もいらない。

計算されたコトバ、想像を掻き立てるネタの数々。
何もない空間だからこそ、想像が膨らむ。

演劇が持つ数少ない、しかし最強の武器は「想像させる力」ではないかと思っている。

リアルな装置や感情を盛り上げる照明・音響は、分かりやすく共感を誘うけれども、自由な想像力を奪う。

ベトナムの芝居も「笑い」も、決して分かりやすくない。観客にもそれ相応の想像力を要請する。
それが、“ベトナム流コメディ”。

●ベトナムの目指す演劇●

僕らは「演劇人」ではないと思っている。
「演劇人」という特殊な人種ではないと思っている。
そして、「演劇人」が特殊な人種でなくなればいいと思っている。
もっと言えば、「演劇」が特殊でなくなればいいと思っている。

映画・ライブ・遊園地・ショッピングモール・プロレス…。
演劇界という狭い価値観での尺度ではなく、普通の観客の目線で値段を設定したい。
同じ値段で、どれほどお客さんを「笑わせられる」のか。
自分たちの実力と値段を加味して、今のところ1,200円。

「演劇は料金が高い」「その割には得体が知れない」。
ベトナムは公演二日前までに予約・購入いただければ1,200円。ちょっとしたランチ程度の値段。
それが、“ベトナム流コメディ”。

劇団のコンセプト

 

●「笑い」●

テーマは「笑い」。
手段としての「笑い」ではなく、目的が「笑い」。

とにかく面白いことが最優先。そのためにベストを尽くす。
ハートフルコメディではない。

シチュエーションコメディでもない。

ストーリーも、ハッピーエンドも、時代批評もない。
ただ単に笑える。そういう芝居を目指します。

 

●オリジナリティ●

演劇は“わざわざ”観るもの。
週末にしか上演しない。劇場まで足を運ばなければならない。

情報も自分で集める気がないと手に入らない。“わざわざ”観にいく。
しかも、お金をとって見せるのだから、

“わざわざ”でも見に来る価値のあるものを創造しなければならない。

“わざわざ”でも観に来る価値があるものとはなにか。
それは、どこにもない作品。その集団でしか醸し出せない作品。
映画・小説・音楽・美術、どのジャンルにも不可能で、

およそどの劇団にも真似できない、

ベトナムでしか創り得ない作品を創作する。

 

●エンターテイメントとアート●

「笑い」がすべてエンターテイメントではない。
ベトナムの創る作品は、アート作品だと考える。

エンターテイメントとアートの境目は、

“共感して欲しい度”なのだとする。
映画にしろ、演劇にしろ、美術にしろ、

とにかく受け手(観客)に共感して欲しいと思えばエンターテイメントに、
作家の想いを提示し、観客に新しい価値観を想起させたい、

想像力をかきたてたいと思えばアート作品となる。
「笑い」をテーマとするベトナムが作るアート作品。

観客に笑ってもらわなければ成立しないにもかかわらず、アート作品を創るベトナムは、
アートとエンターテイメントの境界に挑んでいる。

 

●社会人劇団●

メンバーは、全員就職している。
「役者で食っていく」つもりがないからである。

“ベトナムの役者”に専念し、そして社会人として社会的な責任も果たしていく。
ついでに言うと、メンバー7人中6人が結婚している。そのうち全員が子どもを持つ。
演劇やっている人が社会不適合者でないことを証明し、

「演劇やってる人は結婚できない」という常識を否定したい。

主な受賞歴など

第1回大阪演劇祭・CAMPUS CUP’99 優秀賞(扇町ミュージアムスクエア、1999)
第2回大阪演劇祭・トリプルメーカー プロジェクト参加(199Q太陽族と売込隊ビームとの合同公演、芸術創造館、2000)
現代演劇試演プログラム3招聘(京都芸術センター、2001)
第13回大世紀末演劇展 参加(アゴラ劇場、2001)
第2回アトリエ劇研演劇祭 参加(アトリエ劇研、2001)
CAMPUS CUP RETURNS参加(芸術創造館、2002)
「TIP COLLECTION 2002-2003」参加(扇町ミュージアムスクエア、2002)

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