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名探偵コナン最終話「さようなら、そして・・・」

コナン最後の悲劇がおこったのは、黒の組織のボス烏丸蓮耶がアポトキシン4869を飲んで若返りをなりすましていた阿笠博士を捕え、無事元の姿に戻った時から数十年後。探偵として脂が乗っていた時期だった。
喫茶アポロで、歩ちゃんと蘭の死体が発見された。歩ちゃんは尖ったもので心臓を一突きにされ、蘭には目立った外傷はなかった。凶器は見つからず、歩ちゃんの血の海の中に二人は倒れていた。
新一は一目でこの事件の真相を見抜いた。蘭と新一は倦怠期を迎えており、若い歩ちゃんと浮気をしていたのだ。逆上した蘭は歩ちゃんを殺した。凶器はもちろん、あの不自然にとがった前髪だ。そして新一好みに若返ろうとして一か八かアポトキシン4869を飲み、その賭けに負けて死んだのだ。
「らーん!」新一の声が喫茶アポロに虚しく響いた。「前までは何十年もずっと女子高生だったじゃないか。なんでなんだよー!」

気付けばコナンも40歳になっていた。子どもの時は良かったが、大人になるに連れ、警察にも煙たがられ、探偵ごっこもやらなくなっていた。
高卒で広告会社に就職してみたものの、自分で付けた名前が原因でいじめに合い、辞職。
それ以来、職に就こうとしないコナンは、友人から少し距離を置かれるようになった。
毛利蘭とは、工藤新一ひと筋と言っていたが、大学のテニスサークルの先輩とで来たった結婚をし、疎遠になっている。
毛利小五郎は、二年前に亡くなっている。
アガサ博士も、とっくにいない。
みんな、コナンの周りから居なくなる。原因は、コナンにもある。高いプライドだ。
そのことに40歳になって気付いた。
そして、今日からプライドを捨てて、ハローワークに行く。
もちろん希望職種は「探偵」だ。

悪の組織の正体を追いながら、元の姿に戻ろうと独自に研究を重ねていたコナンは、ようやく薬を完成させた。
江戸川コナン78歳。高校2年生の時に、いきなり10歳ほど若返り、小学校1年生に変えられたコナンが遂に戻れる時が着たのだ。
しかし、コナンはここにきて、薬を飲むことに迷い、一つの謎にぶつかる。
薬を飲んで元の姿に戻ると、老衰で死ぬのではないかと。
かなりのハイリスクハイリターンである。
研究のために、すべての交友関係を断ち、就職もせず、受けた生活保護を研究とパチンコに費やしてきたコナンだったが、思わぬ落とし穴に足を取られてしまったのだ。
今まで真実はいつも一つを新年に、様々な謎を解決してきたコナンであったが、ここに来て初めて迷宮入りの謎に遭遇したのであった。飲むべきか、飲まないべきか・・・。

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