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第18回公演「ニセキョセンブーム」ACT2「ザ・演劇ドラフト会議」より

ドラマティックリーグ

劇団「東京」

本拠地:後楽園ドーム、昨年順位:1位

ご存知日本演劇界の盟主、劇団「東京」。1931年創設。主にミュージカルを得意とし、常に日本の演劇界をリードしてきた最強軍団。リーグ制覇34回、シリーズ制覇25回はまさに最強の証。V9時代はまさに演劇といえば劇団東京と呼ばれるほど彼らの独壇場であった。しかし近年名物オーナー「ナベツジ」の横暴により、その圧倒的な資金力に物を言わせ各劇団から大砲級の役者ばかりを揃え過ぎ、勝ち星も客足も遠のく。ドラフトでは超大型ルーキー瀬川卓(役者)を巡っての空白の1日はあまりにも有名。ミスター演劇こと長嶋茂夫の舞台復帰はあるのか。

代表作「ライオンキャッツ」

坂東英六一座

本拠地:名古屋座、昨年順位:2位

東海唯一の劇団、尾張名古屋は坂六でもつ。1933年創設。時代物から現代物、洋物から色物まですべてを歌舞伎で演じるのは、東と西への敵対心そのもの。その他劇団との一線を画す姿勢は東海の意地。特に劇団「東京」にライバル心むき出し、白塗り丸出しで立ち向かう役者兼演出家「炎の男坂東仙一」の姿は見るものを熱くする。一時期、劇団東京が彼らを真似て「スーパー歌舞伎」なるものを上演したが、伝統歌舞伎の流れをくむ初代・坂東英六がみせる「俺流歌舞伎」には遠く足元にも及ばなかった。

代表作「東海道中宇野ヘッド」

劇団「こすもす」

本拠地:広島市民ホール、昨年順位:3位

12劇団唯一の市民劇団。1955年創団。脇役の固さもさることながら、創団以来子役の育成に力を注ぐ。近年ではコスモスアカデミーを創立し、各国(特にドミニカ共和国)から人材を集め、数多くの助っ人演劇人を輩出。しかし金銭難から多くの看板役者を金銭トレードで他劇団に配給するはめに。劇団旗はなぜか赤いひまわり。22675回公演連続出演した「鉄人衣政」の記録は今なお破られることはない。

代表作「江夏の21行」

神宮ムーンライトボーイズ

本拠地:シアター神宮、昨年順位:4位

現在最も勢いのある新進気鋭の劇団。1980年創設。テレビ界に数多くの役者を送り込みトレンディ演劇を確立し数多くの女性ファンを獲得。一方でその緻密に構成された舞台はID演劇と評され、ともに眼鏡をかけた、2000本脚本家・四谷光喜、全舞台女房役の古田敦夫は一躍時の人に。なぜかここの客はほとんど眼鏡をかけて、いや眼鏡を振り回して観劇する。

代表作「12個のやさしいビフィズス菌」

太陽之会

本拠地:横浜テント、昨年順位:5位

「太陽は右から上る」を合言葉に色んな意味で右から舞台を作り上げる劇団。1960年代後半、右のほうから創設。アングラ演劇を得意とする。徹底的な右と髭へのこだわりは他を寄せ付けず役者の出入りのみならず、音響も照明もすべて右から、そして劇団員全員がひげ面。板付きから猛スピード(1分間に約原稿用紙6枚)のセリフまわしで客を圧倒するチョビひげ屋敷、無精ひげ加藤、増毛ひげ高木は「スーパーカートリオ」と呼ばれ他の劇団から恐れられている。

代表作「泣くなポンセ、右に飛べ」

京阪新喜劇

本拠地:K・G・K(甲子園グランド花月)、昨年順位:6位

笑わせる浪花節、京阪神喜劇。1931年創設。13年連続観客動員数1位ながら万年Bクラス。ボケたら突っ込む、もしくはこける。笑いの王道をひた走る彼ら。ファンの熱狂ぶりも凄まじく、しょうもないギャグには役者より早く容赦なく突っ込み、最高級のギャグには自らこける。劇中クライマックスの前に客が飛ばすジェット風船はいまや恒例。笑わせるだけでなく、最後で泣かせる名優・岡田寛美の勇姿は今や関西の語り草。劇団東京との伝統の一戦にかける思いはファン、劇団員ともに熱い。

代表作「バックスクリーン三連発!」*他にはない 

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ロマンティックリーグ

オリエンタル歌劇団

本拠地:西宮劇場、昨年順位:1位

華やかさを追及し続け女優のみで舞台を築く演劇界の花園。1933年創設。役者は女優のみであり、その華やかな衣装を身にまとえる女優もほとんどがオリエンタルユース養成所出身者。養成所の倍率も287分の1と超難関。舞台下から様々な音効を繰り出す、サブマリン山田の音響操作はまさに神業。あのハリウッドに振り子ダンスのイチコ(鈴木イチコ)を送り込み、彼女は昨年、日本人役者初のアカデミー賞を獲得。

代表作「ベルサイユのブーマー/十三の薔薇」

獅子座

本拠地:所沢会館、昨年順位:2位

玄人好みの正統派エリート集団獅子座。1931年創設。万人を納得させる、手堅く定石に沿った舞台運びはさすがの一言。劇団4期生の毛森徹、6期生・神尾明など日本芸能史に輝く数多くの役者を輩出。続木オーナーの豊富な人脈とワンマン経営でロ・リーグの一時代を築く。その規律重視の手腕とは裏腹に最近では、ホテル、百貨店、ゴルフ場など、演劇とは無縁な場所に手をそめはじめ検察のメスが入った続木王国。王国復活なるか。

代表作「リア王国」

難波ロマンポルノス

本拠地:DX大阪、昨年順位:3位

ストリップをメジャー演劇にのし上げたエロス劇団。1935年創設。「脱ぐやつ拒まず即入団、ぬくやつ拒まず即入場」をモットーに、根強いコアな男性ファンに支えられ、今なおストリップを基本に上演し続ける演劇界の歓楽街。不惑のストリッパー門田の豪快な脱ぎっぷりはもはや生きた伝説。照明界のノーベル賞と称されるエゴモント賞に、専属照明家がピンク一色で受賞するという快挙を成し遂げる。

代表作「ドカベン姉さんあぶさん兄さん」

第ハ舞台

本拠地:後楽園ドーム、昨年順位:4位

昭和50年代、第2期演劇ブームの火付け役の元アマ劇団。1977年創設。もともとアマ劇団だったが大手食肉加工会社がスポンサーにつき一気に一流劇団への仲間入りを果たす。近年スポンサーの強い後押しを受け、テレビ界への露出を強め一気にチャンピオンフラッグ獲得を目指す。しかしスポンサーには頭が上がらず、常に意味もなく舞台上にハムが登場する。本拠地が劇団「東京」と同じなため、数年後に北海道への移転が決まっている。

代表作「天使が瞳を閉じて食べるほど上手いハム」

我無革命派

本拠地:川崎桟敷、昨年順位:5位

「月は左へ沈む」を合言葉にいろんな意味で左から舞台を作り上げる劇団。1960年代後半、左のほうから創設。前衛的過激演劇を得意とする。一部客席で白いヘルメットを振り回す学生から熱狂的人気を博す。演劇三冠王・落内がトレードで名古屋へ行ってから一時衰退していたが外国人演出家を起用し復活を果たす。マサカリ発声法を発明した村田兆次が、昨年演劇殿堂入り。

代表作「笑うなレオン・リー、左に飛べ」

近畿雑技団

本拠地:県立日生公園特設劇場、昨年順位:6位

経営、成績ともに不振で身売りの噂が絶えない、ほぼサーカス劇団。1937年創設。個々の鍛え上げられた肉体とその芸で作り上げる「いてまえ舞台」はまだまだ健在。前舞台監督・扇マジックで多くのアクション俳優やスタントマンをハリウッドに送り込む。しかし近年、熱血調教師・西本の暴走により動物の起用が目立つ。動物虐待、ビックリ人間の集まり、など、批判も多いが、ピエロ中村の力技パントマイムは必見。

代表作「207匹の動物によるワイヤー演劇」 

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