ベトナムからの笑い声 アーカイブ
Laughing Voice form Vietnam Archive
design Shigeki MARUI
Photo(準備中)
第2回公演『タイガーマスク』
タイガーマスクに憧れる人たちを通して、夢を追う人たちを描く。ダンボールで顔の10倍ほどある虎のかぶりものをかぶって登場。「かぶりもの劇団」の歴史始まる。
Data
日時 1997.5.30.(Fri.)―6.1.(Sun.) 4ステージ
会場 STUDIO VARIE(京都)
クレジット
作/黒川猛
演出/ジラフ教授
照明・音響(OP)/新屋未央
衣装/す *す=宮崎宏康。小学校時代よりの仇名。なぜかは、その髪の毛に由来する。
制作/ジラフ教授
出演
男1(ブルータイガー)/中川剛
男2(イエロータイガー)/ジラフ教授
男3(グリーンタイガー)/黒川猛
男4(ショッキングピンクタイガー・タイガー大王)/宮崎宏康
女(デパート職員)/山下衣子
料金 前売600円 当日800円
観客動員 約150人
Details
とあるデパートの屋上。
そこでは「正義戦隊・タイガーレンジャー」のキャラクターショーが行われていた。
舞台はその控室。
タイガーマスクの燃えて泣ける熱いストーリー展開に憧れて、脚本家を目指す男・ブルータイガー。
タイガーマスクの魅力あふれるアクションに憧れて、役者を目指す男・イエロータイガー。
タイガーマスクの圧倒的な強さに憧れて、プロレスラーを目指す男・ショッキングピンクタイガー。
どういうわけか、アルバイトで参加している男・グリーンタイガー。
男たち4人の息はバラバラで、今日の公演もどこかしっくりいかない。
そこに現れる、キャラクターショーを統括するデパートのOL…。
タイガーマスクへの憧れと、幼い頃の夢を持ちつづける男たちが繰り広げる夢物語。
ハートフルコメディでも、静かな演劇でも、シュチュエーションコメディでも、アングラでも、テレビドラマでも、映画でも、ましてやミュージカルなんてとんでもない。
“騒々しくて笑える会話劇”=ベトナム流コメディ。
Director's note
私事で恐縮だが、現在留年の身である。親には内緒なのだが、いまだに「英語Ⅰ」なる授業を受講している。そして、誰も信じてくれないのだが、来年の春には卒業するつもりでいる。ところが。
就職活動なるものを、ほとんどと言っていいほどしてない。お芝居で忙しいってのは、ただの言い訳に過ぎない。厳しい就職戦線の状況を知らないわけでもない。「学生」の身分に甘えたいわけでもない。「自分は何がしたいのか」なんていう自分探しは卒業したつもりだ。じゃあ、何が足りないんだ。だいたい分かっている。「ふんぎり」だ。
これがなかなかつかない。つけようとすればするほど、あとからあとから「いや、待てよ」なんて考えてしまう。しかし、と考えてみた。無理やりつけるものでもないだろう、「ふんぎり」。ふんぎりは、踏ん切り。助走して、飛ぶための踏み切りだ。一気に高く飛ぶためには、踏み切りがいるんだろうけど、助走が短かったり、踏み切りのタイミングを間違えたり、助走で疲れたり、こけたりした人に、踏み切れってのはちょっと。たとえ助走に失敗しなくても、無理やり踏み切ることはないんじゃないか。それぐらいの自由は許されてもいいはずだ。おや? これは開き直ってるだけか? まぁいいや。
今回のお芝居を作ってた2ヶ月間、そんなことを考えてました。
それでは、どうぞごゆっくり。
ベトナムからの笑い声 代表 丸井重樹
(1997年5月)