ベトナムからの笑い声 アーカイブ
Laughing Voice form Vietnam Archive
design Shigeki MARUI
Photo(準備中)
第9回公演『レッドマザー』
京都演劇祭参加
旗揚げ以来のオムニバス公演。それまでのキャラクター重視・スピード重視の作風を思い切って見直す。普通の会話、気持ち悪い間、きわどいネタを試す。初の関西弁にも挑戦した。ジラフ教授はほとんど出演せず、演出に徹する。ジラフ演出の歴史、ようやく始まる。競歩選手・ジラフの歴史も始まる。
Data
日時 1999.11.12.(Fri.)―14.(Sun.) 5ステージ
会場 スペース・イサン東福寺(京都)
クレジット
作/黒川猛
演出/ジラフ教授
音響/まりも舞由
照明(OP)/大木晶子
衣装/宮崎宏康
制作/丸井重樹
出演
黒川猛
ジラフ教授
鈴木芳
徳永勝則
東川原菜緒
堀江洋一
宮崎宏康
料金 前売800円 当日1,000円
観客動員 約300人
Details
いつもの疾走感はなりを潜めます
ネタをふらない
落とさない
気持ち悪ーい間と空気
いつにもましてシュール
いつも以上にクール
いつもどうりにナンセンス
新しいベトナムのための
勇気ある実験。
ACT1 エラ族 原案/宮崎宏康
舞台は日本のとある秘境
そこにやたらとエラの発達した人々が住むという
取材に来た東京の放送局JSC
彼らがそこで見たものは
ACT2 杉山高校前
舞台はとある田舎のバス停
そこに強盗が二人逃げてくる
一休みする二人のところへ
次々とやってくる人々
繰り広げられる田舎の日常
のんびりとした…いや
だらだらと時間がただ
過ぎていく
ACT3 劇団ワイフカンパニー
舞台はとある劇団の稽古場
そこに明日のスターを夢見て
集まってきている若者たち
世界的に有名な演出家のもとで
厳しい稽古が始まる
偉大なる演出家にはすべてが許されるのか
神の元で行われるやりとりは果たして
「練習」か「修行」か
Director's note
世の中には、納得のいかないことが多い。
納得いかないんだけど、仕方のないことはさらに多い。学生を卒業して社会に出ると、特に就職したりすると、納得のいかないことは増えるばかりだ。「納得いかないんだけど、仕方のないこと」だらけでうんざりする。
この、「納得いかないんだけど、仕方のないこと」を、世間では「不条理」と呼ぶのだけど、「不条理」を「不条理だ」と投げ出してしまうのは割と簡単だ。学生の間はそれで済んできた。しかし、責任を課せられたり、その見返りを与えられたりすると、「不条理」と格闘することになる。これはしんどい。
今回は、「不条理」な場に居合わせた人々の格闘を描きます。
人と人とは、決してわかりあえないという人もいる。そしてそれは、きっと事実だと思う。人間に人格というものがある限り、不可能なんだろう。「不条理」と格闘するということは、自分の人格と戦うことだ。自分が今まで正しいと思ってきたこと、これまで間違ってると思ってきたこと、そういう自分の価値観と戦うことなんだ。
子供のときに笑えてきたことが、今の僕らに笑えないのは何故か。無限の価値観を持った子供たちなら笑えることは多い。失った価値観を取り戻すこと。世間や、周りの人や、氾濫する情報や、ドウトクやセイギによって狭まり、縮こまった価値観を広げること。「不条理」と格闘することって、そういうことなのかもしれない。
今日はどうもありがとう。最後までごゆっくりお楽しみください。
ベトナムからの笑い声 代表 丸井重樹
(1999年11月)
PREVIOUS Stage
NEXT Stage