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design Shigeki MARUI

Photo(準備中)

第10回公演『モロッコ』

初の「ハードボイルド・コメディ」。売込隊ビームより、かっこいい3枚目として太田清伸を招聘。無謀にも主役として抜擢。第2回大阪演劇祭参加を経て、ベトナムはベトナムでしかないことを再確認。いい意味でも悪い意味でも。改めてオリジナリティをとことん追求する方向性で再出発する。この公演より、メンバーは一人(大学院生)を除いて全員学生を卒業。一人を除いて仕事を持つ。劇団と、社会生活を両立させつつ、ベトナムを京都で5本の指に入る劇団にするべく突き進む。社会人劇団の歴史始まる。

Data

日時  2000.8.3.(Thu.)―6.(Sun.) 5ステージ

会場  スペース・イサン東福寺(京都)

クレジット

作/黒川猛

演出/ジラフ教授

照明(OP)/藤川沙恵 
音響(OP)/岡野真大 
特殊美術/宮崎宏康 
小道具/堀江洋一 
衣装/東川原菜緒 
制作/丸井重樹 
制作補/山方由美・藤川沙恵
*後に劇団員となる山方さん初参加

 

出演

太田清伸(売込隊ビーム)

黒川猛 
ジラフ教授 

鈴木芳
徳永勝則

東川原菜緒 

堀江洋一 
宮崎宏康 

京都芸術センター制作支援事業

料金  前売800円 当日1,000円

観客動員  約400人

Details

舞台は、とある集団の地下アジト。 
彼らは、賞金稼ぎ狩り。賞金首を捕まえて懸賞金を稼ぐ賞金稼ぎを専門とする殺し屋。 

 

約一ヶ月前、彼らのもとに、賞金首から依頼が来た。

首の名は鎌倉五郎。通称「死神五郎」。 
世界中で凶悪な事件を巻き起こし、今や800万$の懸賞金がかかる、その世界では有名なテロリストだ。 

その首を狙うのが「コブラ99」と呼ばれている賞金稼ぎ。数々の犯罪者を闇に葬ってきた、孤高のテロリスト。しかし、いまだかつて、その顔を見たものは、いない―――。

 

果たして彼らは、依頼人を守り抜くことができるのか。

 

何が嘘で、何が本当かわからない20世紀末。先行する噂によって作られる真実。 
情報が氾濫し、次々に積み上げられていく事実は、ゆがんだ真実を描き出す。 
ベトナムからの笑い声・第10回公演は、ベトナム初のハードボイルド・コメディ。

Director's note

ベトナムは今回で10回目。

今回、メンバーのほとんどは仕事を持った。仕事を持ってなお、ベトナムの公演に参加した。「仕事」に甘えは通用しない。僕らがどれだけ真剣に芝居をやっていようとも、会社という社会から見れば、仕事が終わってからスイミングスクールに通ったり、デートに行ったりするのと、ベトナムの練習に行くということは同じことだ。 
世間的には「遊び」でも、お客さんにお金を払って見てもらう以上、作品づくりに甘えは通用しない。そこがスイミングスクールに通うことや、デートに行くことと、ベトナムの練習に行くことの違いといえるかもしれない。仕事にも、芝居にも「甘え」は許されなくて、毎日毎日、とてもしんどい。まあ、好きでなきゃできない。

でもそれは単なる「好き」ではない。そこには「覚悟」が必要だ。「好き」でい続ける「覚悟」。普通に社会人として、社会に認められる位置に立ち、責任をちゃんと果たしたうえで、ベトナムの芝居を続ける。「いいねえ、好きなことができて」なんて言われたくない。僕らはさほど「演劇」好きなわけでもないし、自分たちに飛びぬけて役者としての才能があると思っていない。どちらかなら、仕事と演劇の両立なんてことを考えずに、いつか役者が職業となるように必死で努力するという方法が、きっと正しい。でも僕らは違う。

両立させてやろうじゃない。どちらに甘えることもなく。社会的な責任も果たし、馬鹿馬鹿しい笑いで、お客さんをゲラゲラ笑わせてやろうじゃない。僕らはあえてしんどい道を進むし、僕らはそれがかっこいいと思う。演劇人が「いいねえ、好きなことができて」と言われているうちは、演劇なんてメジャーにならんと思う。 
今回のテーマは「かっこいいこと」。「スタイリッシュ」。「松田優作」。「ルパン三世」。

今日はどうもありがとうございます。最後までどうぞ、ごゆっくり。

​ベトナムからの笑い声  代表 丸井重樹

​(2000年8月)

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