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design Shigeki MARUI

Photo(準備中)

第14回公演『ゴッドバザー』

二回連続オムニバス公演。二年連続のアトリエ劇研協力公演。宮崎宏康の特殊美術があっさりと軽く復活。音楽担当の信國、そしてなんと、制作の山方さんも役者で初登場。前回にもまして実験性の高い舞台。ラジオ番組との共演、前回から引き続いてのネタ、100人に1人のマニアックなネタ、台詞重視の現代演劇への挑戦。長編では出来ない、新しいベトナムのための実験も最終段階へ。果たしてベトナムはどこへ行くのか。っていうか、道かどうかもよく分からないところを、掻き分けながら爆走する。社会人劇団の宿命で、劇団史上最もタイトなスケジュール。公演週の火曜日から金曜日まで堀江が仕事のため稽古不参加、しかも宮崎宏康(中学/高校教諭)は、本番当日の土曜日が文化祭!  小屋入りが開場の40分前だった…。つまり、完全なリハーサルなしのぶっつけ本番。恐ろしい。その初日は、客席を120も作ったにもかかわらず、これまた史上初めて入りきれなくて帰らせてしまうお客さんが出現。本当にごめんなさい。

Data

2002.11.16.(Sat.)・17.(Sun.) 3ステージ

アトリエ劇研(京都)

クレジット

作/黒川猛

演出/ジラフ教授

舞台監督/五木見名子 
特殊美術/宮崎宏康 
音楽・映像/信國恵太 
衣装協力/大島依子 
音響OP/岡野真大(kbzoffice) 
照明OP/小泉佳也 
制作/丸井重樹 
制作助手/山方由美・池田亜紀

 

出演

黒川和義

黒川猛 
ジラフ教授 
徳永勝則 

信國恵太 
堀江洋一 

宮崎宏康 
山方由美 

声の出演(ACT1のじらじお) 
歌手・アナウンサー/信國恵太 
解説者/新海大祐(元京都教育大学野球部投手) 
落語家/前田岳志(バンド"岩本天王"キーボード) 
北岡さん/北岡啓孝(劇団太陽族) 
太田さん/太田清伸(売込隊ビーム) 
ゆかちゃん/前田由香子(劇団太陽族)
 

京都芸術センター制作支援事業

アトリエ劇研協力公演

料金  800円 当日1,000円

観客動員  約320人

Details

今回も懲りずにオムニバス公演

宮崎宏康の特殊美術が早くも軽く復活 
信國恵太の音楽とセンスももちろん健在 
外側のニュアンスは残しながらしかし 
中身は過去最大の実験劇に

 

ラジオと二人の競演 
前回公演からひき続く”妖怪シリーズ”第二弾 
100人の1人のマニアックなネタ 
台詞偏重・関係性の芝居への挑戦

 

ピンとくる人はピンとくる「漫画」ラインアップ 

黒い・高い・笑いはそのままに 
更なる挑戦と実験へ

 

賛否両論吹き荒れた前回 
果たしてベトナムはどこへ行くのか

 

乞うご期待

ACT1 まんが坂

ACT2 将軍馬

ACT3 ドカベン狂の詩

ACT4  アントニオ009

Director's note

旗揚げ公演のときに書いたコトバがある。

今回の芝居のような実験は、なかなか勇気のいることで、「本当に面白いんだろうか」「お客さんに理解されるんだろうか」「笑ってもらえるんだろうか」という不安と、常に常に背中合わせだ。しかし、そんな危険な賭けに挑戦する気になれたのは、やはりベトナムだからだし、ベトナムのメンバーだからだし、旗揚げしてから6年と言う歳月のおかげだという気がする。どれがかけても、誰がかけても、きっとこんなことやれなかった。

 

ただがむしゃらに前に進めばいいというわけではない。前に進むためには、何かを捨てなくてはならない。「人生は選択です」(鴻上尚史「ビー・ヒア・ナウ」)。全てを抱えたまま前に進むことは出来ても、動きが鈍くなる。だけでなく、選択する力も鈍くなる。行動力が激減し、判断力を二分させられる。大きな荷物を抱えたままでは、重要で迅速な判断が出来なくなる。前に進むために、大切な何かを捨てる。選択する。 

 

驚くべきことに、ベトナムは6年と言う歳月を重ねた上、メンバーを固定し、同じ顔ぶれで芝居を創っているにもかかわらず、この選択が迅速で容易だ。年月や固定した人間関係というのは、劇団の荷物を増やすことになるのかと思っていたけど、ベトナムの場合はどんどん身軽になる感じがする。多分これが「劇団」としては理想の形で、こうでなければ「劇団」である意味はないのだろうと思う(同じことはたぶん「結婚」にも当てはまる。長い年月を二人で生きていったり、「家族」が増えることは大きな重い荷物になりがちだけど、長い年月や「家族」の存在が、身軽さをまして、前に進むための武器になることが、「結婚」する意味だし、そうでなければ「結婚」する意味はないんだ、きっと)。 

 

やはり鴻上尚史(第三舞台)が、劇団が存続してきた秘訣はなんですか?と言う問いに、「奇跡です」と答えているけど、これはやっぱり奇跡なんだろうなあ。

 

実は劇団員みんながみんな、何にも考えていないからなのかもしれないけど。

 

「現状維持は後退である」。 
これは今でも、僕の座右の銘ということになっているが、旗揚げ公演のときと同じように、その座右の銘と現在の僕の状況はなかなか相容れない。劇団としての成長と、個人の成長は、ちょっと違う。

 

今日はどうもありがとう。最後まで、どうぞごゆっくりご覧下さい。

ベトナムからの笑い声  丸井重樹
(2002年11月)

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