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design Shigeki MARUI

Photo(準備中)

第15回公演『ベトナリズム』

1年1ヶ月ぶりの公演。三度オムニバス公演。三年連続のアトリエ劇研協力公演。作家・黒川猛の「笑い」へのあくなき挑戦は暴走。四コマ漫画との競演、SF・サイコ・サスペンスへの挑戦、不条理二人芝居、そして、”妖怪シリーズ・完結篇”のおまけ公演(バンド演奏付き)と、常に新しいベトナムを目指す。5ステージも公演したのに、観客動員が400人を切ってへこむ。黒川と堀江の二人芝居シリーズは、あまりにマニアックすぎて思ったよりも受けずにかなりへこむ。アイデアが出たのが本番の二日前で、ほとんど稽古しなかった黒川と宮崎のネタが受けて、驚く。信國・製作の初音楽CD「一分音楽家」が少し売れてかなり驚く。

Data

2004.1.10.(Sat.)―12.(Mon.) 5ステージ

アトリエ劇研(京都)

クレジット

作/黒川猛

演出/ジラフ教授

舞台監督/五木見名子 
音楽/信國恵太 
照明・音響OP/小泉佳也

漫画協力/中川剛、高木俊輔 
制作/丸井重樹 
制作助手/山方由美

 

出演

黒川猛 
ジラフ教授

徳永勝則 
信國恵太 
堀江洋一

宮崎宏康

山方由美  

京都芸術センター制作支援事業

アトリエ劇研協力公演

料金  800円 当日1,000円

観客動員  約380人

Details

1年2ヶ月ぶりの本公演は、
三度オムニバス公演。
どうやら、これが、
ベトナムのスタイルとなりそうな気配です。

今回も、きわめて実験性の高い舞台。
気持ち悪ーい間。
繰り返しとズレの妙。
過去最高シュール。
そして、三度登場の「妖怪シリーズ」
最後は、"ボーナストラック"。

 

新年のお年玉公演として、
いつも以上にお気軽にご覧ください。

ACT1 モッコリ係長
4コマ漫画家の部屋。そこで繰り広げられる、登場人物たちの、愚痴・ボヤキ・ボケ・ツッコミ・告白・注文。
前作「まんが坂」を彷彿とさせる、グダグダの会話劇。

 

ACT2 二十七年
25歳の男の家にあらわれた、52歳の男。彼の目的はいったい何か。そして彼は何者なのか。
ベトナムがはじめて挑む、本格的SFコメディ。

ACT3 タイムマシーン
27世紀よりやってきた人型ロボット。いじめられっ子を助けるためにやってきた。はずなのだが。
黒川猛と宮崎宏康。長年連れ添ってきた男二人が創り出す、芝居?コント?

 

ACT4 マンホール
3連作となる"妖怪シリーズ"。前作「将軍馬」から引き続き登場の天邪鬼。彼は今、存在の危機を迎えていた。
ベトナムからの笑い声・第15回公演の"ボーナストラック"。新年のお年玉公演です。

---from flyer text

わざわざ観にいくお芝居です。
 

京都で活動を続けている、ベトナムからの笑い声です。
2002年11月公演以来、1年2ヶ月ぶりの公演を行います。
テーマは旗揚げ以来、相も変わらず「笑い」。
どこにもない。騒がしい。無意味。
時代批評も問題提起もハッピーエンドもない。
ただ単に「笑える」。
作家・黒川猛の独特の言語感覚による脚本と、
キャラクター重視の俳優たち。
スピード感のある会話、絶妙の間とリズム、
観客の脳を挑発し、想像力を掻き立てるネタの数々で、
オリジナリティあふれる世界観をでっち上げる、
ベトナム流コメディ。
旗揚げから7年。今回で第15回目の公演となります。

様々な情報が溢れ、様々なエンターテイメントが提供される時代。
わざわざ「演劇」を観にいく人が減るのは当然だという意見があります。
面白いかどうかも分からない。値段も高い。週末にしか公演がない。
劇場まで足を運ばなければならない。
演劇を観にいくことは本当、「わざわざ」です。
携帯電話でインターネットを楽しめるのに、「わざわざ」演劇なんか観にいかないでしょう。そりゃ。
それでも僕らが劇団をやっているのは、
「わざわざ」でも観にいく価値があるものを創っているからです。
僕らが創っているのは、演劇である以前に、「ベトナムの作品」です。
僕らにしか創れないものです。演劇をわざわざ観にいく価値はないけど、
「ベトナムの作品」は、わざわざでも、観にいく価値がある。
なぜなら、そこに行かないと観られないから。
そう思って、活動を続けています。

今回より、コンビニ(ファミリーマート・セブンイレブン・サンクス)で、
チケットを購入できるようになりました。
また、劇団のHPでも、チケットの予約を行えます。
予約・前売券購入の方は、割引価格でご覧いただけますので、
ぜひご利用下さい。800円です。ちょっとしたお昼のランチ程度のお値段です。
インディペンデントで貧乏な僕らが提供するエンターテイメントではありますが、
映画でも、美術でも、コンサートでも、コントでも、遊園地でも、
もちろん他の演劇でも味わえない、「笑い」の時間と空間を体験しに、
ぜひ劇場までお越し下さい。おそらくきっと、お得です。

Director's note

演劇というジャンルのエンターテイメントは、果たしてこれから先、生き残れるだろうか。

年末に、4年間勤めた施設の職員を任期満了で退職した。2004年からは、独立して、フリーの演劇製作者として活動することになる。その矢先からなんだけど、本当に演劇は面倒くさい。創ることも観ることも。

ずいぶん前、僕が演劇をやっていこうと決めたときのことを書いた文章に、「面倒くさい」ことこそが、演劇が生き残っていく理由なんじゃないかとある。確かにそれは一理ある。音楽や絵画や映画のように、複製が簡単に出来ないので、演劇にはオリジナルしか存在しない。問題は、そういう意味のオリジナルでなく、独自性というオリジナリティのある公演が、どれぐらい存在しているかということだ。小劇場の演劇を見ることが面倒さいことはある程度仕方がない。解消できることはあるにしても。小さな会場でやること。週末に数回しかやれないこと。情報が少ないこと。コストがかかり、入場料に跳ね返ること。

 

そういった、解消しがたい面倒くささを解消するには、オリジナリティのある作品を創る以外に方法はない。面倒くささを押してでも、見る価値のある作品を創るしかない。小劇場の作品を作っている人たちが、「演劇界」という狭い世界での基準ではなく、エンターテイメント全体での基準で、作品を創るしかない。

 

ベトナムはオリジナリティで勝負している。
もちろん、それを最終的に判断するのはお客様ですが。

 

今日はどうもありがとう。最後まで、どうぞごゆっくりご覧下さい。

ベトナムからの笑い声  丸井重樹
(2004年1月)

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