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design Mari KUSAKI

Photo(準備中)

第28回公演『チェーンデスマッチ』

負けられない大阪公演から一転、負けるかもしれないことを覚悟の京都・ホームグラウンドでの公演。30回公演の大台を目前に、日本語ではない会話劇の第3弾(ついに字幕は絵文字に)、タイトルから妄想させるヒューマン家族ドラマというシリーズ物に加え、ついに(?)正式にコント作品を名乗った「コント師東京アンサンブル」、俳優・徳永氏の顔芸が遺憾なく発揮された「円周率」、そして究極の不条理作品「パン屋のパン子ちゃん」と、怒涛のオムニバス公演。「パン屋のパン子ちゃん」は、「かつてベトナムからの笑い声を観たことがある」という見ず知らずの方から、「あれは面白かった」と言われる伝説的な作品となる。出演している俳優同士が笑わせるという無意味な戦いのせいで、やりたいことの半分も叶わない結果にも関わらずだ。

なお、本公演より料金が2,000円に値上がりした。また、打ち上げの帰り道、代表が自転車で派手に転倒。頬骨を折る。

Data

2010.12.3.(Fri.)ー5.(Sun.) 5ステージ
スペース・イサン(京都)

クレジット

脚本/黒川猛

制作/丸井重樹

秘書/山本佳世

舞台監督/浜村修司

音楽/Nov.16

音響/小早川保隆 

照明/真田貴吉

​字幕作成/中川剛

​チラシデザイン/草木マリ

舞台写真/仲川あい

舞台映像/竹崎博人

Web予約フォーム/シバイエンジン

出演

荒木千恵

黒川猛 

徳永勝則

​信國恵太

西河ヤスノリ

堀江洋一

松村康右

山方由美

京都芸術センター制作支援事業

協力/スペース・イサン

料金  2,000円  日時指定割引1,800円  ペアチケット 3,000円

観客動員  約270名

Details

超・攻撃的 新作オムニバス、6本。
異国語による会話劇から、
タイトルから妄想するホームドラマ、
話者と演者が異なるアテレコ演劇、
ベトナムでは初めて挑む直球コントなど、
いい加減大人になれよと言いたくなるふざけ具合。

笑える? 笑っていいの? 大丈夫なのか?
ほんと、いい加減にしたほうがいい。
師走の京都を騒がせる、狂気と妄想の第28回公演。


ACT1 古代帝国の謎
とある古代帝国の合コン会場。

どこにでもある風景。どこかで聞いたことのある会話。

ただそれが、私たちの知らない古代帝国での出来事であることを除けば。

日本語版と古代語版でお送りする会話劇中劇。(※古代語版には字幕がついてます)

 

ACT2 コント師“東京アンサンブル”
「デビュー以来、事件や事故など、さまざまなの出来事をコント化し、現在最も注目を集めるコント師・東京アンサンブル。今回彼らが挑むのは、世界中が注目し、驚愕、感動した、あの…。」

 

ACT3 母の愛したバルタン政二と娘の恋した春団治
継母に育てられた娘。年頃になった娘に、母は重大な事実を述べる。「お母さん、実は…」。母の秘密とは。娘の思いとは。前回の「ミステリー小説を…」に続き、タイトルから妄想するシリーズ第二弾。愛が超えるのは、国境だけとは限らない。

 

ACT4 円周率~ギネスに載り損ねた男~
さまざまな苦難を乗り越え、ようやくこぎつけたチャンス。もはや失敗は許されない、ギリギリの挑戦。思わず腹に力が入る、人生を円周率の暗記にかけた男の、渾身のドキュメンタリー。嘘です。

 

ACT5 パン屋のパン子ちゃん
舞台はある子ども番組の収録スタジオ。演じ手と語り部が分かれるアテレコ演劇。過剰な台詞と、過激な振り。めまぐるしく変わる演じ手と語り部。そして出番を待つ俳優たち。狂騒と虚無の果てにあるものとは。今回、最も挑戦的かつ刺激的な作品。

ACT6 名作劇場①~キン肉マン編~
シリーズ化なるかどうかは、今回の第一回にかかっている。演技なし。俳優の“素”に委ねられる、危険な劇。いや、もはやこれは劇ではない。大きな意味での日常だ。

Producer's note

私はベトナムの代表だが、演出家ではない。

数年前までは「演出」というクレジットを背負っていたが、その当時だっていわゆる「演出」ではなかった。観客の目線で稽古を見て、交通整理をしていただけだった。で、第16回公演以降「演出」のクレジットはベトナムの公演からなくなった。

 

私事だが、今回は特に、稽古場にほとんど行くことができず、初めて稽古を見たのが先週半ばだった。もちろんその時には作品はほとんど出来上がっており、事前に読んでいた脚本通りのところもあれば、大きく予想を裏切られたところもあったのだが、概ね間違っていなかったことは、作品紹介の部分にも書いた「悪ふざけ」という点だ。
 

いや、これまでも十分「悪ふざけ」だったと思う。前回公演のパンフレットには、精神年齢が中学生男子だとすら書いた。しかし今回は、ちょっと度を越している。
 

もちろん、笑いというのは、普通のことをやっていたのでは生まれなくて、いかに予想を裏切り、度を越すかである。そういう意味では、代表兼制作が稽古場を覗いて、あれやこれや言えなかった代わりに、伸び伸びと好き勝手に作品を創った今回の作品は、これからのベトナムの一つの指針となるのかもしれない。完成度、という意味では正直、まだまだ突き詰められることは多いし、強度はそれほどない。しかし、この不安定さも含めて、ベトナムの最近の作品に表象される「狂気」や「妄想」なのではないか。…と、思うことにする。
 

ベトナムは来年15周年を迎える。15歳といえば、元服の年で、そろそろ大人。そんなことはまったくお構いなしに、これからも「悪ふざけ」過ぎる作品が生まれていくに違いない。平均年齢が40歳を越えようかという大人たちが創る「悪ふざけ」ほど、面白く/恐ろしいものはない、ように思う。
 

本日はご来場いただきましてありがとうございます。
最後までごゆっくりご覧ください。

ベトナムからの笑い声  代表  丸井重樹

(2010年12月)

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