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design Mari KUSAKI

Photo(準備中)

第26回公演『キャプテンジョー』

7年ぶりの長編作品。…とはいえ、一つのシチュエーションにまとめられた、というだけで、実質的にはオムニバス公演。漂流する宇宙船内で繰り広げられる、失踪した船長の妄想ブログのビジュアル化という、限りなくコント…いや、もうコント公演。一つのシチュエーションにまとめられている、という意味だけで演劇公演と呼んでもよい、かもしれない。
イサン史上始まって2度目となる、天井から降下する劇団代表が落ち。登山用のハーネスとロープを購入。いつでもどこでも降下できる備品を揃えたことになる。
制作を別で呼んだにもかかわらず、動員を減らすという失態に、劇団としてへこむ。5カ年計画を立て、劇団運営の建て直しを図ることにした。

Data

2009.7.3.(Fri.)ー5.(Sun.) 5ステージ
スペース・イサン(京都)

クレジット

脚本/黒川猛

秘書/山本佳世

舞台監督/浜村修司

音楽/Nov.16

音響/奥村朋代 

照明/池辺茜

制作/上田千尋

​チラシデザイン/草木マリ

舞台写真/仲川あい

Web予約フォーム/シバイエンジン

出演

荒木千恵

黒川猛 

徳永勝則

西河ヤスノリ

堀江洋一

松村康右

丸井重樹

山方由美

京都芸術センター制作支援事業

​協力/スペース・イサン

料金  1,800円  日時指定割引1,500円  ペアチケット2,500円

観客動員  約270人

Details

ベトナムからの笑い声、7年ぶりの長編。
舞台は2015年、漂流する宇宙船・桜吹雪三号の中。
失踪した(らしい)船長が書き残していたBlog(航海日誌)をめぐるすったもんだ…。
という、一応の話の筋はあるものの、そのことはあまり重要ではありません。  *Blogの内容はこちら

長編作品といいながらも、さまざまな形の「笑い」を追求するスタイルは、今回も変わりません。
むしろ縦軸である“ストーリー”を悪用し、若干暴走気味かも。

舞台は漂流する宇宙船・桜吹雪三号の船内。ある日突然、船長・キャプテンジョーが失踪する。

残された遺書と、船長が書き残していたでたらめな航海日誌をめぐり、困惑する船員たち。

はたして彼は死んだのか?

漂流する宇宙船というSF的設定、船長が失踪するというサスペンス的展開、それらが不向きな“演劇”という表現手段、すべてを悪用する、ベトナム流・コメディ。

 

物語/虚構/嘘/本当/現実/リアリティが入り乱れ、行ったり来たりする俳優たち。

どこまでが本当のことで、どこまでが嘘なのか。

第12回公演(『ハヤシスタイル』2002年)以来7年ぶりの長編作品は、数々の中・短編を試した末に辿り着いた、かつてないほど“コント”に肉薄する“演劇”作品。

…いや、もうどっちでもいいんだけど。

Producer's note

演劇とコントの境界線上を驀進する、
というのは、長い間ベトナムのキャッチフレーズである。
少し前までは、ベトナムの作品はあくまで演劇、とこだわっていたが、最近では「別にどっちでもいいか」と思っている節がある。そもそも“境界線上”というのは“どっちでもいい”部分なのだった。

7年ぶりの長編、と聞くと、中・短編作品のオムニバス公演よりも演劇寄りなのかと思いきや、実は今回の作品は、最もコントに肉薄した演劇かもしれない、と思っている。ではそもそも、演劇とコントの差はどこにあるのか。

俳優の演技の差だ、と思っている。大雑把に言えば、コントでは俳優が“その人”として出る。演劇では俳優は別の人を演じる。しかし、最近の現代演劇の重要テーマは、この“別の人を演じる”ということだったりする。別の人として台詞を発話する、ということに対して違和感を感じたり、疑ってかかる、ということ。かといって、“その人として(そのまま)出る”ことが面白いわけではない。

演劇が虚構である以上、“別の人になる”ことは不可能だ。で、“別の人を演じる”俳優が、「今、自分は別の人を演じているんだ」と認識しながら舞台に立つとき、演じている自分と、演じている自分を認識している自分の間を、行ったり来たりする。これが通常の演劇だろう。今回は、もう一歩進んで、この、行ったり来たりを面白がってみる。演じている役柄(を意識しながら)舞台に立つことと、演じていない自分(その人のまま)舞台に立つことを、同時にやってみる。このことは実は、演劇とコントの間を行ったり来たりすることにもなるのではないか…。

もちろん、俳優は難しいことを考えているわけではない。
何が一番面白いか、それしか考えていないんだけど。

本日はご来場いただきましてありがとうございます。
最後までごゆっくりお楽しみください。

 

ベトナムからの笑い声  丸井重樹

(2009年7月)

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